北の大地で研修中 ニポラー日記
家庭医・総合医をめざして北海道の各地でニポラー(ニポポ研修医ニポポ研修OB)が活躍中です。 そのニポラー(研修医とOB医師)と指導医の日記です。楽しんでお読みください 。
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2011
05,03
16:04
幼い記憶と死の宣告
CATEGORY[nipo]
遠い昔の記憶。
私がまだ幼稚園に通っていたころの話。
ある時私は両親に向かって「もうご飯を食べない。」と言って困らせたことがある。
困惑する両親に私が説明したのは
・ご飯を食べると大きくなってしまう
・大きくなって大人になると人は皆死ななくてはならない
・自分は死ぬのが怖いので大人になりたくない。だから食べない。
という理屈だった。
今は大人になってしまったが、やっぱり自分が死ぬことを考えると怖くなってしまうので考えないようにしてる。
医者になり他人の死が身近なところに転がるようになった。
急な病に倒れ亡くなる人もいれば、死の避けられぬ病でゆっくり亡くなっていく人もいる。
先日私の受け持ちに加わった80代男性の患者さんがいる。食べられなくて入院し、精査をしていく予定だ。
9分9厘私は癌だと考えている。嫌な仕事だ。私はいまだに患者さんに癌を告知するのをためらってしまう。
告知した方がいい、メリットの方が大きいというのが現在の考え方。わかっているんだけどさ。
ベッドサイドで雑談している時ふと聞いてみた
「自分では何の病気だと思う?」
「腹の病気だな~。大腸癌じゃねーかとおもう。」
かなりびっくりした。私もまさにそう思っていたからだ。
実はこの時点ですでに肝臓内に転移巣と思われる腫瘍が多発しているのがCTで確認されており、
いわゆる末期癌の可能性が高いと考えていた。
治療法はない、癌の告知、死の宣告をしなきゃならない。嫌だなぁ。ってさ
「そうですか、これから検査していくけど、もし悪いもん見つけてもちゃんとお話しした方がいいかい?」
「なーんも。もう80も生きて、まわりももうみんな死んでる。」
笑い飛ばされてしまった。ちょっと感動した。
それから戦争のはなしや、昆布の養殖の話や、娘の話や、孫の話を聞いた。
方言きつくて半分も内容わからなかったけどね。
[3回]
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