北の大地で研修中 ニポラー日記
家庭医・総合医をめざして北海道の各地でニポラー(ニポポ研修医ニポポ研修OB)が活躍中です。 そのニポラー(研修医とOB医師)と指導医の日記です。楽しんでお読みください 。
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2010
11,13
21:30
強い総合内科医になる(決意)
CATEGORY[未選択]
中日が負けた。たまたま当直中であって延長
12
回までテレビで観戦していた。あのショック、屈辱は忘れられない。終了してからすぐに床に着いたのだが、午前
3
時くらいまで「あのときのあの采配が悪かったのではないか」「あのときにこうしていれば…」等々考えてしまって寝付けなかった。こんなチャンスは滅多になかったのに。ここまで頑張った選手、ベンチには頭が下がる思いで、今年は感謝したい気分だ。しかし、しかし…それでも…
翌日から北海道に本格的な冬が来た。
私は現在、総合内科に勤務している。総合内科が聞き慣れぬ名前かもしれない。しかし現在は北海道の政策として「総合内科医養成事業」が設定されるくらい、一種のブームである。
総合内科医が必要とされるのは時代の要請である側面が強い。すなわち、臨床研修が必修化され、また各個人の生活を尊重する時代の流れも相まって医局が弱体化した現在、各科専門医を集めることが出来なくなって各地の地域医療が崩壊しているわけで、それを内科疾患はある程度のレベルで全部診ることが出来る総合内科は各病院にとって内科診療の核となる可能性を秘めているわけで、その生産が急がれているのである。
ニポポはこの総合内科医や家庭医を目指すプログラムである。このようなプログラムも今や全国各地に何十とある。繰り返すがブームなのである。
理想的には総合内科医が
10
人くらいいて、各科専門医が
1
人ずつ居れば
良いと思う。各科専門医は今まで、地方に派遣されて、自分の専門でない(得意でない)分野を診るのがストレスだったわけである。そこに総合内科医が現れて、診ます、診ますと言えば専門医は助かる。ある程度診てもらえれば、自分の分野であっても助言するだけでいい。これも助かる。総合内科医が居れば、自分の真の仕事に集中できるし、総合内科医も専門家から勉強を教えてもらえるし、一石二鳥なのである。
とはいえ現実的には人々の理解が進んでいないし、なかなか多難である。「総合内科って何?」をもっと発信していく必要があることは痛感している。今回はそんな話。
Y
さんは
50
代の男性。ネフローゼ(おしっこにいっぱいタンパクがでる症候群;腎臓で何かが起こっていることが示唆される)精査で紹介された。種々の治療(総合内科医が出来る基礎的な治療)に反応せず、腎臓を調べて
IgA
腎症(という腎臓の病気の一種)であることがわかった。この
IgA
腎症も程度がいろいろあるわけだが、その中でも最も重い状態であることが分かった。統計では
5
年で
50
%くらいの人が透析になるという状態。ここまでわかるとちょっとしたさじ加減がその人の人生を決めてしまいかねない。ここで専門家に依頼ということになった。
「最初が肝心ですから。ここでしっかり治療してもらいましょうね。」
と申し上げる。そこで言われた言葉。
「俺、がっかりだよ。ここを信頼して、先生を信頼して検査なんかも頑張って受けて、いざというときにあっち行けってさ。総合内科だって言うから総合的に診てもらえるかと思ったのに。たいしたことないね。がっかりだ。」
…詰まる。しかしよくある。こういうこと。このことにめげちゃいけないんだ。いいんだ。患者さんがよくなれば。
しかし…残念な気もする。誰か意見ください。
[5回]
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医者も患者も認知していない総合内科
総合内科が「ブーム」との意見に一票。複雑な心境は察するところ多し。
総合内科のニーズがあるのかどうかは実はよくわからない。あるところにはあるし、ないところにはないのかもしれない。ニーズがある地域の現場であくせく働いている人が「ニーズがある」といえば説得力があるが、都会で診療している自称総合内科医に「ニーズがある」といわれても私はにわかには信じられない。
最近になって新たに総合内科のニーズが生まれてきたとはあまり思えない。これまでの医局システムの崩壊に伴い別のシステムが必要になっただけのことだとすればやはりブームにすぎないだろう。
総合内科の「総合」という言葉が、良くも悪くも解釈されている。専門医からも「一つ一つはろくにみれないのに、何を総合しているのか?」と訝られ、患者からは「総合だから、なんでも解決してくれるだろう」と期待される。
この症例の患者のように。
総合内科という名前が悪いのかもしれないが、言い得て妙のある呼び方を私は思いつかない。専門は何かに対する問いに「あなたを専門にする医者です」と、家庭医療を盲信(猛進?)する誰かが熱く語っていた。医者なら誰だって語らずとも同じ気持ちで診療しているのだから、こんな言い方をして得意になっていても仕方がない。患者には一定の安心感は与えるかもしれないが、それ以上のものではないし、専門医からすれば、ただの綺麗ごとにしか聞こえないだろう。
【2010/11/1513:49】||brain-investor#5484b59c19[
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