北の大地で研修中 ニポラー日記
家庭医・総合医をめざして北海道の各地でニポラー(ニポポ研修医ニポポ研修OB)が活躍中です。 そのニポラー(研修医とOB医師)と指導医の日記です。楽しんでお読みください 。
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2010
07,12
19:29
池澤夏樹講演会
CATEGORY[未選択]
7
月
10
日に札幌の近代美術館で開催された池澤夏樹講演会「博物館の中と外」に参加した。何かと忙しい毎日だが、こんな講演会に出てリフレッシュできるのはとても嬉しい。僕は以前より池澤文学のファンで池澤さんの作品を中学生くらいの時からいろいろと読んでいる。だから実際に著者に会えるということは感激であった。
実際の池澤さんは想像よりおじいさん、といった感じだった。世界中の話が本に書いてあるのでもっとたくましい人かと思っていたのだ。しかし知の巨人といった感じ。後ろの座席の人が連れの人と話していたのが聞こえたが「こういう人こそ本当の博学というのだ」という印象。まさに。
話としては同地で開催中のローマ展より話を始め、大英博物館のカリアティド、エルギンマーブルの話を経てイラクの収奪の話、宮本常一からアチックミューゼアムに至りパリ、ペルー、ゴーギャンに移るという
90
分の世界旅行。著者の「パレオマニア」の話が多かっただろうか。日本の博物館にも触れられとても興味深かった。知的興奮に満ちた講演でこんなに終わってほしくない、と思わせられる講演もなかった。
ここで強調されたこととして博物館は世界の生き方に対する興味を表現していること。そして見る者は対象に対する尊敬を持ち、それがどこに由来するのか自覚することの重要性であった。博物館は池澤さんもおっしゃていたが「世界の生き方のカタログ」なのであろうと思う。コンパクトに生の世界に触れることが出来るテーマパークのようなところ。大事なのは本物であるということか。
北海道でも例えば今でこそアイヌ文化は共生の文化として脚光を浴びているが、ほんの少し前はどうであったか。他者に対する共感はあったか。学術の対象として「標本」を博物館に展示する以外にメッセージを伝える機会があっただろうか。
近年は一方的であった展示の方法も徐々に変化があるという。アイヌの遺跡から発掘された遺骨を返還しようとする動きがあるのもその一環であろう。よいことだと思う。
講演から池澤さんの文化や好奇心や対象に対する愛が感じられた。このような機会を用意してくれた博物館協会に敬意を表したいし、また大勢の人が人間への興味を持って博物館を訪れるようになってほしいと思う。池澤さんはイトウの成長を楽しみに野付岬ネイチャーセンターに通っているそうだ。そんな楽しみ方もあるのかと驚いた。
ところでひとつ池澤さんに聞き忘れたことがある。博物館と言えば楽しいのはミュージアムショップだ。中をぶらぶら見学するのも楽しいが、ミュージアムショップでわけのわからないものが売られているのを見るのも楽しい。世界中の博物館を見た人はどんなお土産物を見たことがあるのだろう。聞けばよかった。
[2回]
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